S氏によると、家相で一番重視すべきは、張りと欠けだという。別棟も張り欠けに含んでいると思われる。
それに対して、梯子があるとか炊事場があるといったことは、重要度が落ちるという。S氏は、おそらく、トイレや玄関の位置よりも、張り欠けが重要だと考えていたと思う。
それなのに最近の家相法は、トイレと玄関の位置ばかりを気にしている。いつから、この傾向ができたのか良くわからない。なぜか、家相と言うとトイレと玄関というイメージがある人が多いようだ。
また、方位よりも家相、家相よりも地相が重要だとS氏は書いている。
これも、現代の家相家や風水師は逆にとらえる人が多いと思う。
地相の重要性をアピールする人はいない。
既に買ってしまった土地は、どうにもならないから、それを否定しても仕方がない。また、昔の宅地と違い、現代の宅地は、矩形が多いので、張り欠けが存在しない。だから、地相について論じる必要がないのである。
また、気学の専門家の多くは建築ではなく、占いが好きな人たちなので、どうしても、方位学の方に没頭してしまう。家相の場合、客は、新築の家を建てたい人とか、何か悪い出来事があって、その理由を家相の性にしたい人たち。いずれにせよ、客が少ない。
それに対して、方位学の方は、毎年、毎月、毎日、吉方位と凶方位が変化する。だから、客はリピーターになりやすい。だから、気学で商売をしている人たちは、方位を重視したほうが都合がいいのかもしれない。