キッチンの方位について論じる際、S氏は、陰陽五行の相生と相剋について語っている。
乾の方位は、六白金星。
この方位にキッチンがあるとする。
キッチンでは水をつかう。だから、水と金が相生して木と考えることができる。
しかし、乾の方角に含まれる、戌の方位は土性に属している。
だから、土に水があると、土剋水の凶になる。
乾に比べると戌の範囲は狭い。だから、この場合、戌の凶より、乾の吉の方が大きい。しかし、S氏は、凶と吉が相反する場合、何れ、凶が買ってしまうと主張している。つまり、乾の方位のキッチンは凶になる。
また、キッチンは火を使うので、火と六白金星が相剋すると考えることができる。さらに、亥の方位は水なので、水と火も相剋する。
したがって、キッチンを水と捉えても、火と捉えても凶になるのである。
現代家相では、キッチンを不浄の場として、トイレなどと同じように扱う相者も多いようだが、相生と相剋で説明された方が説得力がある気がする。
ちなみに乾の方位のトイレは凶。トイレは度の方位でも凶になる。乾には、父、頭、肺の意味があるので、北西にトイレがあると、家の主人が胸部や頭部の病に侵されるとされている。
特に、本命星が六白金星の人や、戌年、亥年の人は、凶災が強くなる。
また、S氏は、便所が母屋にあると特に病気の発生が強力であるとしている。当時は、汲み取り式のトイレで、母屋の外に、トイレを作るのが普通だったようだ。