S氏の家相では、子供の凶相に関する記述が多いような気がする。
もともと、家相は、家の主人の為のものであった。
子供や妻にとって良い家相を意識していた相宅家は少ないと思う。
子供に関することは、たとえば、相続人がいないとか、養子の人に相続をさせると言った感じで、あくまで、家系重視の考え方だった
妻についても、妻が権力を握ると家が衰えるとか、妻とうまくいかない、または妻が早死にするので、何度も妻を持つことになるといった具合に、あくまで、主人が中心の考え方をしていたのだ。
でも、S氏の時代は、家族の価値観も変わってきたのかもしれない。
たとえば、乾方位は、父親の方位として知られているが、乾方位が凶相の家に育った子供にも悪影響が出るという。
乾には頭や肺といった意味があるので、この家で十歳まで育った人間は、成人すると肺の病で倒れるとか、虚弱な人間になると論じられている。
江戸時代は、父親中心だった家相だが、明治後期から昭和初期にかけて、女性や子供の運勢も意識されるようになったのかもしれない。
今では、子供部屋の位置に悩む親も多いようだ。
ただし、親が衰えると、子供も元気に育つことが難しいので、一番重要なのは家の主人であるという家相鑑定の基本は現代で変わらず残っているようである。