西と乾は、どちらも、金の意味がある。
西の金は加工された金のことだからお金を示し、乾の金は原産物のことだなんて言われ方もする。
このどちらかが張りだした地相や家相は、富貴をつかさどるとされている。
しかし、乾と西が両方、つまり、両方位にまたがる場合、張りが転じて、坤欠けになる可能性がある。そのため、むやみに張りを作るのは危険と言える。
だが、S氏の鑑定で面白い事例がある。
西と乾にまたがった別棟がある例である。
基本的に、別棟の場合も、張りと同じように扱う。ただし、通常の張りのように、張りが転じて他の箇所の欠けと認識されることはあまりないようである。
つまり、西と乾の両方にまたがった別棟は、二つの方位の富を得ることができるので、大吉相と言うことになる。
乾は、父を意味する。したがって、住主が、成功をおさめ、お金に困らない生活が送れるとされている。
さらに、兌は、口を意味するので、口で人を喜ばすことができるとされている。
近年の住宅では、敷地内に別棟を建てるケースは少ないかもしれないが、大変興味深い事例でだなと感じた。